回想

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回想

あの日から、十年前から時間が止まっている。自分の生きていく方向が見つからない。生きなければいけないのかさえ分からない。親父…どうすればいいかな?散々喧嘩して欝陶しくなって嫌になって飛び出した家だけど、いつも帰りたいと思ってた。親父が友人の保証人になって二千万の借金を背負った時に一度帰ったよね。結局俺は何にも役にたてなかった…それどころかプライドが高く責任感も強い親父が破産しろと言っても破産も出来ずに苦しんでる親父を見ているのが辛くなり又家出…辛くなったと言えば綺麗だけど本当は会社を辞めさせられて、取り立ての電話が毎日かかってきて、もう死にたいと言っていた親父に嫌気がさしてた…欝陶しく思っていたのだと思う。どうせ死ねやしないのに…死にたいなんて出来ないのに言うなよ!…これが俺の正直な気持ちだったと思う。そして一度目の未遂…やっぱり死ねないじゃん…俺の思った通りだよ…しょうがねえなポーズして…そして二度目…逝ってしまった…ろくでも無い息子だったよね。親父が逝く十日前に約束したのに、飲みに行こう!たったこれだけの約束も守らずに…ごめんね…
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