surely

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『また明日』 『おやすみなさい。また明日』 僕らは駅で反対方向の電車に乗り込み家路についた。細かい事まで話しはしなかったものの彼女と笑い合ったおかげで幾らか心が軽くなってこの先何があっても受け入れられそうな気がした。 『ただいま~ムーン。ごめんね遅くなって…今ご飯あげるから…?…ムーン?どこ?』 にゃあん… 微かにムーンの鳴き声が聞こえる。 『ムーン!』 ムーンは縁側の端にいてぐったりと横になっていた。 僕はムーンを抱き上げると体を撫でてみた。呼吸も弱く、いくぶん脈拍も速い。 『ムーン。大丈夫?病院に行こう!』 (大丈夫だから…) 『だって大丈夫そうじゃないよ』 (ちょっと眠れば治るから…) 僕は立ち上がるとソファーに腰掛け膝の上のムーンを優しく撫でていた。ムーンは目を閉じると静かに眠りについたようで、呼吸も規則的になった。 『ムーン。ごめんね。僕が早く帰って来たなら一人で辛い想いをさせなくて良かったのに…』 そう呟いてムーンを撫でているうちに、僕もそのまま眠ってしまったようだった。深夜 (このままじゃ風邪ひいちゃうわ。ベッドに行って…) と言う声がして 『う…ん。わかったよ月子…』 と、返事をした自分の言葉にびっくりしてすっかり眠気が吹っ飛んだ。 『月…子…?』 (イクオ…幾生…) 膝の上には僕を見上げるムーンがいた。
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