第4話

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   そのまま――。  気恥ずかしさを拭えなかったあたしは特に話題に触れる事なく、食事を済ませた。  虎狼も何も言わない、し。 「ご馳走さまでしたっ」 「皿を洗っちゃうから、少し待ってて?」 「あ、手伝うよ」  2人で食事の片付けをして、約束の水族館へ向かうことに。 「月華、乗って」  バイクのヘルメットを渡された。  え?  両手でヘルメットを抱えながら、じっとそれとバイクを見つめた。  中型の機動力のありそうな、カッコいい単車。  薄手のライダースジャケットを羽織った、長身の彼にバイクはとても良く似合っている。  のはいいけど――。  あたし、今日スカート…。  しかもメイクしてきたのに……フルフェイス…?  てっきり電車か何かで行くと思っていたあたしは、呆然と佇む。  移動手段はバイクって言ってくれてれば、迷わずデニムを穿いて来たのに…。  どうしよう、これ。  スカートの裾を握って、虎狼を見れば。  彼は軽快なエンジンを吹かせていて、――準備は万端。 「乗らないの?」  いや、あの、乗りたい事は乗りたいんだけどね…?  いや、はい、乗ります――。  メットを被ったついでに、小さくため息をついた。  …仕方ない。  覚悟を決めてバイクの後ろにまたがった。 「しっかり捕まっていてね」  言われた通りぎゅっと虎狼のお腹の辺りで手を組む。  密着は、ちょっとだけ嬉しい――かも。  緩んだ顔をきゅっと締め直すと、タイミングを見計らったかのように、バイクは緩やかに進み始めた。 *
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