プロローグ

2/5
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
大木の根元に少年がへたり込むように座っていた。 大木の周りも木々に覆われており、所々赤みのかかった葉もある 少年は胸に金の刺繍の入った紺のブレザー 胸の刺繍は学校の紋章、横向の鷹が二羽、足で一つの玉を抱えている そしてその横には同じ金糸で“第二学年”と刺繍されている ブレザーはお世辞にも綺麗とはいえ言えないくらいボロボロで継ぎ接ぎが所々伺える 優しい木漏れ日が少年を包む中、読んでいた本をパタンと閉じる それからうんと伸びをし、そのまま真上を見上げる。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!