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「小姫は秋と冬が嫌いかえ?」
鵺は小姫を抱き上げて桜を見上げました。
伸ばせばその枝に届きそうでした。
「…秋と冬はぬえがいなくなります…だから、せめて桜はずっと一緒だと…いいと…」
小さくなる言葉とは逆に衣を握る手が強くなりました。
それに鵺は気付きました。
「すまぬな…小姫も前より大きゅうなったから、これからは一緒に行くか?」
「本当にいいの」
小姫は嬉しそうに聞き返しました。
「ああ、約束だ」
「約束だよ!ずっと一緒だからね」
小姫の小指と鵺の小指が絡まりました。
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