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「わしを恐れないのか?」
鵺は幼子に問い掛けました。
幼子はまっすぐに大きな黒い瞳で鵺を見つめて言いました。
「お優しい目をしてるから、怖くないわ。あなたはわたしが怖くないの?みんな、わたしを変な目でみたりするのに」
幼子は不思議そうにしながら鵺の瑠璃のような瞳を見つめました。
鵺は幼子の言葉に驚きながら納得しました。
「稀有な力を、持ってしまったか」
幼子は見えてはいけない化生の姿を見る力を持って生まれてしまったのです。
鵺は瞳を閉じて幼子の末路を哀れに思いました。
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