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鵺は手を差し伸べました。
「幼子は皆、泣くことを堪えるものでない。わしを恐れないのならば、共に来るか?」
幼子は長く白い…人の指と変わらないそれを見つめてから鵺を見ました。
「主は聡い子だ。分からぬわけではなかろう」
その言葉に幼子は大きな瞳をさらに大きくして、唇を噛み締めました。
「今一度言う…わしを恐れないのならば、共に来るか?」
幼子は小さな手で鵺の大きな手を取りました。
大きな瞳から涙が零れるのに気付き、鵺は抱き上げました。
「幼子は泣くものだ…悲しければなおさらの」
幼子は声を上げて泣きました。
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