第一話:カンユウ

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小柄な体型であるが活発で、誰に対しても明るく接することができる彼女は、クラスのムードメーカー的な存在だ。 いつまでもクラスに馴染もうとしない僕に躍起になっているのだろうか。彼女だけは、転校してから今日まで、こんな風に毎日色々と話しかけてくる。 「…で、何?」 「橋本君さ、こっち来てもう1ヶ月くらい経つよね?」 「……。」 「もう部活とか入った?」 「……。」 「その様子だとまだみたいだね…良かった!じゃ放課後は基本ヒマなんだよね?」 田村慈は嬉々として、僕の返事を待っている。部活に入ろうとは思っていないし、確かに暇といえば暇、ではあるが、どうも嫌な予感がする。 「はいかイエスか、さあどっち?!」 「ええと…って肯定しかないじゃないか」 なんと姑息な。とも言わんばかりに不服そうな顔をすると、田村慈は「バレたか。」と悪戯っぽく笑った。
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