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「とにかくさ、主旨を教えてよ、主旨を。」
「しゅし?」
「話の中心。いったい何をしてるんだよ田村さんは」
「探検隊よ。」
凛、とした透き通るような声。
振り返ると、ドアのところに女子生徒が立っていて、こちらに向けて微笑んでいた。
色白で、身体全体はすらりと細く長く、大きな瞳には長い睫毛…世間でいうところの美少女、といったところだろうか。
心なしか、周りにいた男子がざわつき始めた。
「あっ美祢ちゃん!」
助かった、とでも言いたそうな顔で、田村慈は彼女に駆け寄る。そして僕を指してこの人が橋本君だよ、と告げた。
「初めまして。京 美祢子(からぐり みねこ)です。」
にこり。
瞬間、嗚呼…と何処からか小さな歓声があがる。
「ここで話すのも何だし。詳しいことは、向こうでにしましょうよ。」
「は…はぁ。」
「そうだね。もうシャモも来てるかもしれないしね。」
言われて、結局僕はいまいち訳が分からないまま、彼女達の後をついて行くことにした。
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