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「作ってくれてありがとう」
雪だるまが笑っている
「ねぇ、何で喋れるの?」
「何で笑えるの?」
「何で?何で?何で?…」
好奇心の質問をそのままぶつけた雪だるまは全部答えてくれた
「僕らはみんな喋れるんだよ?ただお嬢さんみたいな小さい子にしか聞こえないんだ」
「そうなんだ」
手を組んで、首を傾けて、考えるポーズをした
そして
「ねぇねぇ、何かして?」
雪だるまは困ったような顔をして「じゃあ、おまじないをかけてあげる」
と言った
「お嬢さんが20歳の誕生日に僕のことを覚えてくれていたら、願いを一つだけ叶えてあげる」
「ホント?」
「もちろん」
「約束だよ?」
「うん、約束」
そう言って二人で笑いあっていた
窓が開いた
「もう遅いから中に入りなさい」
「はーい」
振り返って返事をする
そしてもう一度雪だるまの方を向いたとき、もう雪だるまはいなくなっていた
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