27人が本棚に入れています
本棚に追加
ダンテは口元に笑みを浮かべた。
「決着をつけようぜ」
━━そうだな……
不意に聞こえた兄の声、再会がこんなかたちでなければどれだけ嬉しかったか。
ダンテは目を伏せる。
窓か、それとも入ってきた扉かからかは知れないが、一抹の風が吹き抜ける。
それを合図に二人は一斉に床を蹴った。
確かに走っていた。
だが、一向に距離は縮まないような感覚。時間がゆっくりに感じられた。
『ハアァァァァァッ!』
二人の距離が無くなり、剣と剣が再び交わり火花が散った。が、先程とは違う。ダンテは黒騎士の、バージルの剣を弾き飛ばした。
それから縦に、横に斬り、最後にタックルで吹き飛ばす。
バージルは倒れるが、受け身をとって直ぐに立ち上がり、剣を取った。彼は両手で手招きして挑発する。
最初のコメントを投稿しよう!