序章~神話~

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 始め、世界は虚ろな暗闇で満たされていた。すべては沈黙し、時は止まっていた。  どのくらいの間、そうだったのかは分からない。何しろ時は止まっていたのだ。  ある時、高次元より、いくつもの『存在』がこの世界に降臨した。  いや、「ある時」という言い方は正しくない。何故なら、時は止まっていたのだから。  存在が世界に降り立った時、空間に亀裂が走った。その亀裂から、高次元空間のエネルギーのようなものが流れ込んだ。  それらは幾筋にも分かれ、渦を巻き、暗黒の世界に揺らぎを与え、動きを与えた。  そうして初めて、世界の時は流れ出した。  世界創造の、瞬間である。
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