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「スペルコード入力、F2311212」
青年が早口で唱えると、青年の剣から声が漏れた。
『スペルコード認証、F2311212。“対炎障壁”展開します』
声が言い終わってすぐに、黒炎が空中で“何か”に遮られた。
竜は炎が止まった事に、一瞬だけ困惑したようだった。
その一瞬。
青年は見逃さず、すぐに行動に移った。
「モード詠唱破棄。スペルNo.312!」
叫んだ彼の刃からは、竜が吐いた以上の黒炎が溢れだす。
跳び上がった青年は、竜の首元で少しだけ剣を振った。
「……“断罪の黒炎”」
2秒後、竜の首が滑り落ちた。
一仕事を終えた彼は、懐から携帯を取り出し、電話をかけた。
「もしもし? ヨハネ、料金は倍取らないと採算合わねぇぞ」
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