69人が本棚に入れています
本棚に追加
お父さんは何も答えなかった。
何も教えてくれないお父さんに対して、私は苛立ち、不満をお父さんにぶつけた。
「なんで聞いちゃいけないの? 自分の母親の事でしょ?」
それを聞いたお父さんは、辛そうな顔をして、搾り出すように言った。
「雫紅(シズク)。お前、お母さん、殺したいのか? ……俺の中じゃ、まだお母さんはいるんだ」
お父さんはお母さんをずっと愛していた。
亡くなった、今も。
たぶん、これからも……。
最初のコメントを投稿しよう!