病院嫌いの父

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病室に戻ったお父さんは疲れたように、ベッドに腰掛けて、足を揉んだ。 「明日も仕事だろ? もう、いいよ」 「じゃあ、また明日ね」 「病院なんか、毎日来るな。風邪ひくぞ」 お父さんは皮肉っぽく笑った。 私は答えずに、笑顔だけを残し、手を振って病室を後にした。 お見舞いの帰り道は、いつもお父さんとの思い出を思い出す。 二人でずっと暮らしてたから、たくさんある。 でも、不思議な事に、普段なかなか思い出さないような、事ばかりだった。 たまに、自分でもよく覚えてたなぁ~ってぐらい小さな事も。
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