悪い冗談

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「悪い冗談だった。ごめん」 私はさっきの怒りがまた盛り上がりそうになるのを、押さえた。 「ビックリした」 「……うん。でも、笑えなかったな」 「笑えるわけないじゃん」 「……」 お父さんは私に真剣に怒られて、シュンとなった。 「次は笑えるやつにしてよ」 「そうだな」 病院の中庭には、日曜日だからか、お見舞いの人と病気の人が入り交じって、つかの間の会話を楽しむように、ゆっくり散歩をしていた。
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