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「……もう充分に生きたと思ったし、お母さんにも早く会いたかったし、後悔もなかったんだけどな……雫紅のそんな笑顔見たら……また見たくなったじゃないか」
入院してから、初めて聞いた……お父さんの未練だった。
「もっと見れるよ。もっと見てよ」
私は泣きそうになった。
「……そうだな。やっと雫紅の笑顔が見れたよ。最高のプレゼントだ。ありがとう」
お父さんの方がずるかった……私は我慢出来なくて、でもそこから動けなくて、お父さんの布団に顔を埋めるようにして、泣いた。
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