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その日、私はお父さんの泣き顔を初めて見て、入院してから初めて、お父さんの前で泣いた。
泣いてる間、お父さんは私の頭にずっと手を置いててくれた。
しばらく泣いた後、お父さんは静かに言った。
「雫紅はこれからの人だ。お母さんやお父さんの事に捕われないで、明るく……楽しく生きなさい。お父さんの為に泣いてくれるのは嬉しいよ。でも……もっと嬉しいのは、雫紅が笑った顔を見せてくれた時だよ」
そう言った後に、お父さんは私の手を握り、小指を絡めて約束をさせた。
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