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『なんだ、この世界の使用人は!? 躾がまるでなっていない・・・ん、なんだ?』
「これ、本物なのか?」
去っていく店員に悪態をつきながら、男は金の延べ棒をポケットにしまおうとしたが、敬太の視線に思わず手が止まる。
敬太は金の延べ棒を触りながら、顔を上げて男に尋ねる。
『む、そうか。始めからそうすれば良かったのだったな』
敬太の表情をどう捉えたのか、男は笑いながら指を鳴らす。すると、男と敬太以外の全てのものがグニャリ、と渦を巻くように変形していく。
「な、なんだ!!?」
『落ち着け、すぐに終わる』
敬太は目の前に起こっている現象が理解できずに、思わず椅子だった物から立ち上がるが、男はゆっくりと立ち上がり敬太を落ち着かせる。
敬太は大人しくその言葉に従い、黙って変形していく周りを呆然と眺めた。
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