異世界の国王

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『なんだ、ここは?』 「ファミレスだよ、見て分からねえのか?」  あの後、大声を出したせいか、周りの人がなんだなんだと、集まってきたために、止む無く敬太は異世界の国王を名乗る男をファミリーレストランまで連れて来た。  男はファミリーレストランの看板を見た後に、店を指差しながら敬太に尋ねてくる。何処からどう見ても、普通のファミリーレストランのために敬太も普通に答える。 『ふぁみれす・・・で、どういうところなのだ?』 「どういうところって、飯を食うところに決まってるだろっ!?」  男は敬太が答えたファミリーレストランの略称を呟いた後に、再びどういったところか尋ねる。  当たり前の事を聞かれた敬太は、イライラしながら大声で答える。 『何を怒っているのだ、訳の分からない男だな』 「あんたに言われたくねえっての。もういい、入るぞ」  いつまでも入口付近で押し問答をやっている場合じゃないと、敬太は男の言葉を無視して店内に入っていく。  ちょうど客の居ない時間だったのか、店内には店員しか見当たらなかった。
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