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『なんだ、これだけでは不服か?』
再び固まる店員と一緒に固まる敬太、二人の様子を見た男は仕方が無いな、と同じポケットからもう一本、金の延べ棒を取り出して固まっている店員の手の中に入れる。
「あの、お買計でしたら、このようなものはお受け取り出来ませんが・・・」
『私はお前に褒美としてやったんだぞ? それを受け取れないとはどういうことだ!!』
固まっていた店員は手の平の金の延べ棒が一本増えることで我に返り、声を絞り出すように金の延べ棒を返しながら男に話しかける。
すると、男はいきなり怒り出して店員に喰ってかかる。
「あっ、すみません!! この人は海外の偉い人なもんで、こっちの事は良く分からないんですよ」
その様子を見て、同じく固まっていた敬太はとにかくその場を収めようと、とっさに変な言い訳をする。
その言葉を聞いた店員は、敬太に感謝するように頭を下げて、その場から逃げるように離れていく。
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