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唐突に、全く唐突に、彼女は言った。
「三つ葉と四つ葉、どちらがお好き?」
少女は少年の大事な約束を知り得ている風である。
その口調は、見た目よりもずっと大人びていた。
背中にふわりとかかったベビー・ブルーの髪は細く柔らかで、左に三つ葉を、右に四つ葉を握って差し出す白い手は、まだふっくらとしているというのに。
「四つ葉」
幸せの四つ葉のクローバー。
誰もが選ぶであろう答えを、少年は素直に口にした。
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