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サトシがピカチュウと研究所を出てから博士は一枚の写真を取り出した。ぼろぼろの写真には博士と二人の少年が写っている。
一人はこちらを見ず、そっぽを向いている少年。
一人は笑顔でブイサインを向けている少年。
その真ん中に博士が笑顔でたっていた。
日付は7年前をさしている。サトシと同じ年頃だろうか。背景がオーキド研究所と言う事は旅立つ前日なのかもしれない。少年らの腰あたりにはモンスターボールが一個ずつついていた。
「…もうサトシもこんな年か…」
親しみを込めた目で写真の中の少年を見る博士の背中に哀愁が漂う。懐かしい写真を見る目はほんの少し悲しみが入っていた。
サトシが旅立ったのは12歳。しかし2年前まで旅立つ年は10歳だった。しかしまだ早過ぎるとポケモン協会が話し合い、2年のばしの12歳になったのだ。
と言う事は写真の中の少年は10歳になる。
「サトシは彼に会えるかの…なぁ、―――……」
写真の中の少年は
笑顔のままだった
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