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朝の日差しに耐えられなくて枕をぎゅっと抱き締める。すると自室のドアがあき呆れ顔の母が顔を覗かせた。
「サトシ…もう。せっかくの大事な日に寝坊するなんて…オーキド博士が待ちくたびれちゃうわよ」
ハナコが身体を優しく揺さぶりながらサトシが抱く枕を取り上げる。
ねぼけた声を出しながらも目をあけたサトシは目を擦りながらポッポ時計を見上げた。
時間は9時を指している。
オーキド博士との約束は9時だ。
「わぁああ!!なんで起こしてくれないんだよママァーッ!!」
「今日ぐらいサトシが自分で起きると思ったんだもの」
慌てるようにベッドから飛び起き着替えを始めるサトシをのほほんと優しく見つめながらハナコがにこりと笑う。どこか抜けているハナコにサトシはむぅっと眉をよせた。
「ヒトカゲとゼニガメとフシギダネと遊ぶ夢見てたんだよ…」
「サトシはどれをもらえるのかしらね。何が欲しいの?」
片頬に手をあて考えるハナコにサトシは用意されていたバックを担ぎキャップを被り嬉しそうに笑った。
「そんなん、ポケモンマスターになるんだから全部GETだぜ!!」
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