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「ちょっと竜牙、私のクロワッサンは?」
ランドと話していると後ろからそんな少女の声が聞こえてきた。
「ん~……教卓になかったか?」
竜牙は早速ランドから貰ったメロンパンを一口食べた後、振り向きながら、その少女に言う。
声で誰か分かった。
少女の名前は、ラージャ・スカイ・スターダスト
彼女、『ラージャ』は、実はスターダストが名前ではなくラージャの方が名前だ。
それを聞いたときはまた「何で?」と思ったものだがもう約1年の付き合いである。
今では気にならなかった。
今は座っているために立っているラージャの身長は正確にはわからないが、確かランドと同じぐらいで目に入った腰は……ってなんかラージャさんがめっさこっち睨んでるような気がした。殺気を感じるくらいに。
思わず彼女の下半身から視線を逸らすと今度は彼女の髪に目がいく。
流れるような金糸だった。
実際、微妙に流れすぎて跳ねている髪の毛もある……なんか殺気が増した気がした。
気のせいだろう。この平穏な昼休みに殺気って……
ラージャはその腰まで届くような長い金髪を左に流して止め、髪留めに鈴が二つ付いた黒いリボンをしていた。
なのでラージャが近づいてくると高飛車な声だけでなくその鈴の音ですぐ分かる。
そして竜牙は視線を上げる。
その際目に入った胸は無いに等しいぺちゃ……
「ぐふっ!!」
無言で竜牙にボディーブローを叩き込むラージャ。
「お…俺が何か……!?」
「なんとなく不快な思いをしたの。てゆうか目つきがなんかやらしかった」
黒い笑顔で竜牙に微笑みかけるラージャ。殺気以外にも『もう一つ』プレッシャーを感じた。
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