1人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
愉しげに歩く貴方の背中に幾度も手を伸ばし、届く寸前で引っ込める。
この繰り返し。
『もしも…もしも貴方と違う性別であったのなら、違うカタチであなたの隣にいられたかもしれないのに…』
幾度となくそう思い、その度に虚しい思いに囚われた。
【そんなことを考えて何になるか…】と。
ともすれば貴方をかき抱きたくなる衝動を必死に抑え、今日も私は貴方の隣を歩く。
どうか貴方は気付かないで下さい。この人の道にはずれた【想い】など…
いつか…貴方の隣に相応しい人が現れたなら、どんなに辛く悲しくとも笑ってこの場を譲りましょう。
どうか…どうかそれまでは、貴方の隣に居させて下さい。
最初のコメントを投稿しよう!