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「そう言えばお前、朝手紙貰ってなかったか?」
俺は今朝、後輩に涼が手紙を貰っていたのを思い出した。
「あぁ…これのことか?」
涼はそう言ってポケットから一通の手紙を取り出した。女の子らしい、綺麗な字で[笠津先輩へ]と書かれているのが見えた。
「そうそう!読んだのか?」
「まだ…でも読む必要ないだろ?」
涼はそう言って、手紙をもう一度仕舞おうとした。俺はとっさにその手を掴んだ。
「――なんだよ、悟」
「お前がそういうの興味ないの分かってる。けど、その手紙にはあの子の気持ちが詰まってる。読む必要ないなんか言ってやんなよ。」
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