1人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
――…
『ぁ、』
明日のお昼でも買おうと、
仕事帰りにコンビニへ寄った
そこでバッタリ会ってしまったのは
今、私の頭を締めている原因である
傘の後輩君だった
(名前は知らないので傘の印象で覚えている)
「水城さん、今晩は」
『あ、今晩はです‥』
なんだか今朝の事を意識してしまって
いつもよりも不自然に瞳が泳ぎ、ギクシャクしてしまう
そんな私とは対照的に
後輩君は人懐っこいそうな笑みを返してくる
そんな仕草にも心が戸惑ってしまう
私が過剰に意識し過ぎているだけなのだろうか
そもそも、あれは告白であったのかな?
単に、同僚として好きだと言ってくれただけだったのだろうか…
そういえば
彼は社内では人気の高い方らしいんだっけ…
彼が入社する際、友人の一部が騒いでいた気がしたが
その時はまさか、こんなふうに関わる日が来るとは思わなくて
全く無関心だった
そんな人気者の彼が
引っ込み思案で男の人とうまく接することも出来ない自分を
好きになる筈などないと
今更ながら、きっと
自分の勘違いだったんだと
恥ずかしくなった
_
最初のコメントを投稿しよう!