最後の恋

始まり

―――‐‐‐‐‐

桜がもう咲きかけている４月上旬。

私は今日、地元よりちょっと遠い高校の入学式を迎える。

初めて着たブレザーがなんだかまだ体に合ってなくて、肩なんか肩パットを入れているみたいにカクっとなっていて少し恥ずかしい。

でもそんなの気にしなかった。

新しい制服に新しい学校、新しい友達、新しい勉強・・

新しい恋・・・・

すべてが<初めて>になる毎日にワクワクしていた。

自分の制服姿を違う角度で何度も見ていると、一階からものすごい勢いで階段を上ってくる音がした。

バンッ!!!!

勢いよくドアが開くとそこには息を切らしたお母さんがいた。

母｢ちょっと!明(あかり)っ!いつまで鏡見てんのっ!それより時計を見なさい!｣

明｢えっ。でもまだ６時半だよ・・・・｣

私はパカッと携帯を開いて時間を見た。