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玲「キレイな音でしょ?私もここのピアノ気に入ってるの」
その女の人はピアノをまるで動物のように優しく触ってニコッと笑った。
よく見るとその女の人はここの患者らしく、病院の服を着ていた。
しかもそれが色白のその女の人になんだか少し似合っていて不思議な気持ちになった。
私はハッと我に返って言った。
明「本当に・・キレイなピアノですねっ!まだ新しいのかなあ~・・」
私はしゃがみこんでピアノの中を覗きこんだ。
玲「新しいわよ、最近ここに置かれるようになったの・・あ、あなたお名前は?」
そう尋ねられると、私は立ち上がってペコッとおじぎした。
明「かわさき・・河崎 明です!高校1年生です!」
それを聞くとその女の人はまたニコッと笑って私に手を差し出した。
玲「明・・ちゃんか、私は西嶋 玲(にしじま れい)。今年で20歳になるの。宜しくね?」
私は玲さんの手をぎゅっと握り返して笑っておじぎした。
明「・・玲さん、でいいですか?」
玲「敬語つかわなくていいよ!私たいした人じゃないから」
玲さんはさっきより子どもっぽく笑った。
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