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歯を磨いて、髪をととのえて、少しお化粧して、私とお母さんは玄関に向かった。
領「あれ、母さんたち早いんだね。」
階段から呑気にお兄ちゃんが頭をかいてあくびしながら降りてきた。
母「領(りょう)!あなた何でそんなに呑気なの!大学間に合わなくなるんじゃないの?」
母は靴をはきながらお兄ちゃんに言った。
領「今日は2限からだから大丈夫なんだよ。あ、明、気をつけてな。」
お兄ちゃんは私の頭を優しく撫でるとニコっと笑った。
明「ありがと!お兄ちゃんも気をつけてね!行ってきまーす!」
私はお母さんと一緒に玄関を出た。
閉まるドアの隙間からはお兄ちゃんと
ひょこっと顔を出したお父さんが行ってらっしゃいと言ってる姿が見えた。
領「・・・明!」
ドアが閉まって少したつとお兄ちゃんがあわてて外にでてきて私達を追いかけてきた。
明「ど、どうしたの?お兄ちゃん?」
お兄ちゃんは片手に何か持っていた。
領「薬・・・忘れてるぞ」
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