━約束━

7/20
前へ
/20ページ
次へ
僕が10歳になった頃だろうか、父が病気で亡くなった。 あまりに突然だったので、なかなか実感が湧かなかった。 当然、涙も出なかった。 僕に対しては世間一般の父親と変わりなかったのに… それを思うと後ろめたい気持ちになる。 ただ、その一方でこれで父から解放され母は自由になれるのだと思う安心感があった。 もう母を泣かせるものは居ない。 父の死より、僕にはそのことの方が大切で大きかった。
/20ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加