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キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン…
『起立、礼』
『ありがとうございました』
「あぁ、ねむて…」
ガラガラガラ…
授業が終わった後すぐ、誰かが教室に入ってくる音がした。
「だいちゃん起きて!!」
「なんだよ、俺は眠たいの。」
隣のクラスの茜だ。
こいつはいつも暇があると休憩時間に俺のクラスに来て、決まって俺の机の前に立って俺をかまいにくる。
時には彼氏とのノロケ話をしたり、時には真剣な相談もしてきたり…
「で?今日は何?」
「何じゃないでしょ。ちゃんと寝ずに授業聞かないと、只でさえ学年最下位争ってんだから今回こそ留年だよ!」
「わかったよ、でも眠てぇんだから仕方ねぇじゃん」
「三人で一緒に卒業するって言ったでしょ?」
・
・
・
俺はクラスの中では浮いた存在だった。
クラスの奴らは俺にはよそよそしい態度で、無意識のうちに俺を避けているようだった…
だが、そんな俺にも仲のいいクラスメイトが一人だけいた。
それが留年生の直也だ。
直也は俺が入学した時には既に、留年生としてうちのクラスにいた。
最初は俺も気を使ったが、お互いクラスの中で浮いた存在だったので自然と仲良くなっていった。
似たもの同士、話も合った。
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