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「マジで別れたの?」
「うん、今思えば短い1年だったな…」
そりゃあそうだろう。
俺から見ても、俊介と付き合っている時の茜は周りが見えていないかのように俊介に夢中だった。
そんな二人がわずか1年たらずで別れを迎えることになるとは思ってもいなかった。
「で、これから茜はどうするの?」
そこが一番肝心なところだ。
「わかんない…自分がどうしたいかわかんない…」
「そっか…」
俺はそれ以上言葉がでてこなかった。
正直、俺は茜が好きだった。
それは恋愛感情の好きではなくて、友達として。
一緒にいて楽しいし、何よりこんな俺と直也の友達になってくれたことが嬉しかった。
だが茜は、俊介と付き合った途端に俺と直也に対する態度が変わった。
それは俊介の束縛だったと、この時初めて知った。
茜はいつものように俺や直也とも話したかったらしいが、俊介がなるべく男とは喋るなと言っていたらしい。
俺と直也も含め…
それを茜から聞いた時、俺には一瞬俊介に対する怒りが芽生えた。
が、同時に嬉しいという感情も芽生えた。
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