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「梨花!ここからは歩いて行きましょう!」
例の場所に近付いてきた。ここからは歩いて行くのが得策だと思う。私たちにも危険が及ぶので、
なるべくすぐ逃げられるようにしないと。
「沙都子そっちを持つのです」
私は羽入さんの足を持った。梨花は反対の頭を持つのだけれど羽入さんがいつも付けている角のような髪飾りを握り持ち上げた。
そろそろ起きましょうよ羽入さん………
二人で羽入さんを運び
例の場所に着いた。
「どこに置きますの?」
「玄関にしますのです」
羽入さんを玄関の隅に置いた。羽入さん今までありがとうですわ…。あなたと一緒に暮らすのはなかなか楽しかったですわ。
悲しみに浸っていると、
梨花がニコニコしながら話しかけてきた。
「さあ沙都子。行きましょうです。…羽入、いい夢をなのです★」
梨花は羽入さんに最後の別れを言った後、
今まで聞いたことのないような大人っぽい声で
「すみま~~せん!!」
と叫んだ。
少しして「はーい!!今行きます」という声とともに足音が近付いてきた。
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