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「……む?コーネリアス、灯りを」
拍手が終わっても灯されない部屋の灯り。いつもならこんな事は無い。不思議に思った父は執事に指示を出す。
「やれやれ、コーネリアスも歳かな。コーネリアス!」
父は椅子から立ち上がり、おぼろげな月明かりを頼りに半開きになっていたドアへと近づく。
しかし父は妙な声とともに一歩下がり、そのまま仰向けに倒れた。
「お父……さま……?」
父の胸には深々とナイフが突き立てられ、その瞳は既に輝きをたたえてはいない。
最高に幸せであった筈のひととき。それははかなくも一瞬にして崩れ去った。
「あ……あ……イヤァァァアァ!!」
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