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「ただいまティーリー。お茶の用意をお願いできるかしら」
そう言いながらアイラはキャリーバッグを侍女に渡した。
「アロッズのヤグルマギク入りアールグレイのミルクティーとわたくしの作りましたミルフィーユでございましたらご連絡をいただいてからご到着にあわせて準備は済んでおります。
どちらにご用意致しましょう?」
『お茶の用意』その言葉だけで百貨店の最高級アールグレイとミルフィーユ……アイラの望む最高のものが出てくる。
「そうね、天気もいいしテラスでいただくわ。あなたも一緒にね」
「承知致しました」
アイラの返答を受けて深々と頭を下げると、ティーリーと呼ばれたその侍女はあくまでも丁寧かつ優雅に……それでいてどこか嬉しそうに厨房へと歩いていった。
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