Bullet 03 -burglar-

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「この町は治安がいいから羽休めに来たのに……ついてないわね」 「ご安心ください。この屋敷のセキュリティは万全です」 「……それもそうね……」  ティーリー・ミーズ、彼女の特技は見ての通り家事全般。  そして趣味は銃火器・トラップの製改造。アイラの二丁拳銃『ジェミニ』も彼女の渾身の作だ。また、屋敷には至る所に見えないトラップが仕掛けられ、ある種要塞と化している。  そしてきわめつけは重火器による破壊行為……給料の殆どはそれらに消えてゆく。 「夜盗の本拠地は今朝調べがつきましたので、後ほど行ってまいります。アイラさまはごゆるりとおくつろぎください。外へ行かれる際はご夕食の時間にはお戻りなさいますよう。  メニューのリクエストはございますか?」 「そうね……森ならジビエなんてどうかしら?」 「いいですね。ではジビエのフルコースと致しましょう」  まるで買い物前のような会話を交す二人。ティーリーは自室に戻り、一丁のライフルと、それが可愛く見えるような無骨で巨大ないくつかの重火器を持って屋敷を出た。
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