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俺達3人は腐り切っている。所謂、腐男子と腐女子ってやつ。
3人で、ひとしきり新刊の話で盛り上がった後、今日の報告会。
俺は今日の昼休みのおいしい状況を、腐ったフィルターを通しての目線から話す。(妄想90%だ)
姉と美浦は目を爛々と輝かせる。
「おいしい!おいしすぎるわ。亮と私、1日入れ替わりたい」
姉は興奮した面もちである。
「いや、無理だろ」
と俺。
「私学ラン着ればなんとかなっちゃったりして」
と姉。半ば本気っぽいとこが恐ろしい。
「いや、俺女装したくないし」
と俺。
「でも、りっちゃん女顔だし線細いからいけると思うよ」
とにっこり笑う美浦。
「女顔じゃないよ」
ムッとして俺は言い返す。
美浦は身を乗り出して、まじまじと顔を覗き込んでくる。顔と顔が近い。心臓の脈動が自然と早まる。
美浦はパッと乗り出していた身を元に戻すと
「え~でもキレイな顔してるよ」
さらりと言った。
まったく悪気のない発言に少々毒気が抜かれるが、心中複雑な俺。
「ちょっと亮学ラン脱いで。羽織ってみるわ」
そこへ突如、後方から姉は学ランを引っ張る。
「えっ!なに本気で変装する気?」
と俺は慌てる
こうして、やいのやいのと楽しい一時は過ぎていくのであった。
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