3 持つべきは友

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「今日はとっておきのニュースがあるのよ」 一週間に数度開かれるいつもの腐った報告会。 私、田中早紀はニヤリと笑う。 「えっ、なになに」 と目を爛々と輝かせる美浦。弟の亮も興味津々といった表情だ。 「吉行の友達が、帝真学園に行ってるんだって」 「ええっ!」 「マジで!」 ものすごい勢いで二人は食いついてくる。 「桐帝学園ってあの全寮制の男子校のでしょ!?」 と思わずわかりきった知識を再確認してしまう美浦。 「俺が高校選ぶとき泣く泣く諦めたあの桐帝だろ」 と亮は興奮を隠せない様子。 「うちにあのバカ高い学費を払う経済能力はなかったからね~」 と思わず私は当時を振り返った。亮と二人して親に頼みこんだっけ。 「って話逸れたわね。実は昨日あった陸上の大会でさ…」
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