†第3章†

2/9
前へ
/46ページ
次へ
記憶は一向に戻らずにいる。 だけど… 「柚子!はよ!」 毎朝こうして律は、 あたしに挨拶してくれる。 昔のように柚子って呼んでくれる。 だから、あたしは このままで良いかも… なんて考えていた。 「お、律じゃん!はよっ」 「颯!はよー!」 この人は近藤颯。 葵が言うには、 律と幼なじみらしい。 あたしそんなこと知らなかったなぁ。 それに律は近藤君の事は 覚えてるみたいだし…。 どうしてあたしだけ 記憶に残ってないの? 近藤君にちょっと聞いてみれば、わからない事もわかるかもしれない…。 そう思ったあたしは近藤君に声をかけた。 「ねぇ、近藤君? ちょっとだけ放課後いい? 話があるの…」 「…いいよ。 それより近藤君ってやめろよなー。皆颯って呼んでるし颯って呼んでよ」 「あっ、うん!!! ありがとう、颯!!!」 「おう!」 .
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

121人が本棚に入れています
本棚に追加