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「はぁはぁはぁ。」
1人の少女が中国の街を全速力で駆け抜ける。
「離れないと・・・!」
(何処でもいいから兎に角ここから離れないと・・・!)
しばらく走った後、少女は走り疲れたのか街の路地裏に入り込んだ。
「ここならきっと見つからないアル。」
少女は今までの緊張感とやっと訪れた安心感でその場にしゃがみこんだ。
少女の名前は神楽。
歳は14歳。
幼い頃に父を亡くし、母も3年前に亡くなった。
それから兄と共に児童養護施設に預けられ、すぐに里親も見つかったがその里親の意向で、跡取りにと兄だけ引き取られることになった。
その後すぐに神楽にも今の里親夫婦が見つかり、夫婦は神楽を本当の娘のように扱ってくれていた。
しかしそんなのは長く続かなかった。
半年もすると、優しかった夫婦は急変し義母からは暴力を受けるようになり、義父はそれを知らん顔をして見ているだけになった。
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