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神楽はガサガサと、ポケットから一粒の飴を取り出し、それを大切そうに握りしめた。
(・・・・・・銀ちゃん。逢いたいよ・・・。)
神楽は2年前ちょうど今日のように里親の暴力に耐えられず逃げ出した日のことを思い出した。
そう、あの日・・・・初めて銀ちゃんに出会った日。
里親夫婦から逃げ、街までやってきた神楽だったが、このピンク色の髪に透き通るような白い肌。そして蒼い綺麗な瞳に、整った容姿。(腕や足には殴られた跡が沢山あったが・・・)
このような容姿であれば周りから目立たないわけがない。
すぐに変な連中から声をかけられた。
『お嬢ちゃんこんな所でどうしたんだい?』
神楽が振り向くとそこには柄の悪い男2人がニヤニヤと不気味な笑いを向けて神楽の後ろに立っていた。
『もしかして迷子?だったらお兄さん達がお母さんを一緒に見つけてあげるよ。』
神楽は恐くなりその場から逃げだそうとしたが、腕を強引に掴まれ裏路地に連れて行かれそうになった。
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