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潮「うぉぉぉぉらぁ!!」 男勝りすぎる遠吠えが聞こえてきた。 今度は小さな男の子と混ざり、サッカーをしているようだった。 潮「しゃららぁぁ!!」 バッシュゥゥウ!!!! と、見事過ぎるシュートをゴールに決めていた。 …昔あったな。ボールが友達のサッカー少年のマンガが。 しゃらら…って、どういう掛け声なんだろう… 昴くんは、さっき俺が本を読んでいたベンチに腰掛け、女の子を集めて絵本を読んでいてくれていた。 役割が逆なような気がするが… あえてスルーしておこう。 そして彼女らの言動は、この重すぎる空気を打破するのに充分すぎる威力を持っていた。 園長先生と俺とで、少し笑ってしまった。 -肉親の死と孤独、責任- 多くの不安や問題を、彼女は抱えている。 だが、そんな事は微塵にも思わせない彼女の強さに、俺は次第に惹かれていった。
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