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園長先生は微笑みながら、こちらに向かって話掛けてきた。
園「…冬馬。彼女は"心が強い"わ。
でも、彼女も人間。
弱い部分は必ずあると思うの。
アナタには、そんな彼女の支えになってあげて欲しいわ。」
園長先生は続けて、優しく、力強く言った。
園「アナタの思いは…わかっています。私と、この学園を支えていってくれようとしたのでしょう?」
俺は頷いた。
冬「今まで育ててきてもらった、恩返しだし…それに」
そういうと園長先生は俺に人差し指をかざし、俺の言葉を止めた。
園「私や学園にとっての恩返しは、アナタ自身が幸せになること。
他人を幸せにしてあげること。
もう一度言うけれど、潮さんを支えてあげて?
彼女にはアナタが必要よ?。
…アナタも潮さんが必要なのではないの?」
…俺は迷っていた。
彼女のツラい生い立ち故の、強く堅い意志。
これから彼女は、どう変わり、どう成長していくのだろう。
などと、興味がでてきたからだ。
園「アナタの気持ちは、とても有り難いものよ。今までだって、一番のお兄ちゃんだったから、ワガママなんて言ってなかったわね。
本当にありがとうね。
私から言えるのはここまで。
後は、アナタの思うようにしなさい。」
冬「…俺の家は、ずっとここだから。たまには帰ってきていいのかな?」
園長先生は、俺の言いたい事を理解してくれたのか、微笑みながら部屋を後にした。
冬「やってみるか。
潮さんと。」
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