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潮「ま、捨てたっていうよりは、捨てられたに近いわね。」
潮は淡々と話すが、内容は実に悲しいものだった。
ヒタヒタと、風呂場へ案内した昴が帰ってきた。
昴「暁人の親は…ここにいること知ってるの…?」
潮「ついさっき、話はつけてきたわ。」
昴は「…そう」と言うと、何事もなかったかのように勉強を始めた。
潮は俺の方へ向き直り、
潮「勝手に連れてきて、ごめんなさい。
私達だけでも、生活するのが大変だって、わかってる。
でも、目の前には家族を失った子がいる。
見てて耐えられなかったの。」
(潮の行き当たりばったりの性格は治らないだろうな…)
だが、潮の信念を知っている俺は、潮の思う通りにさせてあげようと思った。
これからの生活は今まで以上に苦しくなるだろうが、こういう時だからこそ、俺は潮を支えてあげなくてはならない。
だから、俺は決心した。
自分にも言い聞かせるように、この言葉を紡いだ。
冬「わかったよ、園長。俺、何があっても潮を支えるから。
だから、今日みたいなイキナリな事はヤメてくれよな?
1人で決めるんじゃなくて、俺にも何でも相談してくれ。」
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