黒髪の悪魔

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「……………なんだあれは。」 言ってることは、あぁ成る程、と思わされた。 今までにない新鮮な意見に反応。 自分の外見に嫌気がさすことは少なくないが、ああいった見方をされるのは悪い気分ではない。 朝から非常に妙だが面白い人物に会ったものだ。 最後の嫌味ったらしい発言に多少の違和感を覚えたが、まぁ気にする程度のことではない。 時計を見ると、いつもの出社時間に近づいていた。 新人を迎え入れるのに、部内が空では問題だ。 公務員とはいえ、定時に入って定時に帰る仕事ではないため、常時人はいるのだが、この時間だとたいていは夜勤明けで寝ているだろう。 俺はコーヒーを持ち、立ち上がった。
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