黒髪の悪魔

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結局無言のまま現場に到着し、仕事が始まる。 特に説明するでもなく俺は業務をこなし、今井はそれを黙って見ていた。 道具の知識は多少あるらしく、俺の必要とするものを横から渡してくる。 たまに何か呟いていたが、聞き取れなかった。 そのまま作業は無事終わり、また携帯を見つめたままの今井を乗せて署に戻る。 署に戻ると、今井はふらりとどこかに行ってしまい、俺は事務処理に没頭した。 筑紫さんが隣に座るまで集中しっぱなしだった。 「よう、どうだった?」 缶コーヒーを一つ俺に渡して、筑紫さんは言った。 「新しい収穫はなし。多分最初の状況と変わりませんね。一課の情報と照らし合わせてみないと詳しくはだせませんが」 「仕事じゃねーよ、今井だ今井」 「ああ、そっちですか。特に問題はありませんでしたよ。」 「なんだ、つまらんな」 筑紫さんは本当につまらない顔をしている。
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