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「櫻井さんはタバコを吸われますか?」
「いや?基本的には吸わないぞ。吸えないわけじゃないみたいだが。」
「禁煙していらっしゃる?」
「いや、あいつのは手段。」
「手段?」
「普段組まない連中と仕事する時にな。そういう時ってタバコ吸いに自然と集まるだろ。」
確かに、警察内の喫煙率は意外に高い。
「そういう時って、意外にオイシイ情報があったりするんだよ。普通に飯食うより色んな話ができる。」
「その輪に入るため…なるほど。」
「秀は仕事に関して非常にストイックだ。見えないから気づかない奴らもいるが、細かい努力はしてる。」
筑紫さんは助手席の背もたれを倒し、目を閉じた。
「でもたまにこうして気づく、秀と同じ目線の奴が現れる。俺はそれが楽しくて仕方ねぇ。」
寝たまま筑紫さんは豪快に笑った。
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