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「腕は悪くない。足手まといにはならないから安心しろ。」
「性格面ということですか」
それならば、俺は余計に不適任だと思う。
上司はキョロキョロ周りを見渡し、俺に手招きをした。
どうせ誰も聞いてはいないと思うのだが、俺は渋々耳を傾ける。
「実はな、俺が引き抜いてきたんだ。」
「…また余所が拒否したのを拾ったんですか」
「今回は違う!」
耳打ちしているのに大声をだされ、俺は眉をひそめた。
「今回は俺が選んだんだよ。気に入ってな。ま、他の部署はいらないって言っていたが、俺はそうは思わない。」
その自信は毎回どこからくるのか是非とも聞いてみたいと、部内の誰もが思っていることだろう。
「とにかく、大丈夫。明日から頼んだぞ」
一体何が大丈夫だというのだろうか。
「詳しい資料は明日届くから」
明日来るのに明日届いては意味がない。
俺はため息をついた。
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